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ヘルスケアアート・ウィーク2020 開催しました

ヘルスケアアート事例集のオープンに合わせたイベント「ヘルスケアアート・ウィーク2020」を実施しました(告知はこちら)。この記事では、イベント全体をレポートします。


1. オープニング&研究発表会
「医療福祉の場を変えるヘルスケアアートの力」


開催日時:12/5(土)13時~15時半
開催場所:オンライン(zoomミーティング)
参加人数:おおよそ51人
 ※最大アクセス数


ウィークのオープニングイベントとして開催しました。

話は遡りますが、当初は名古屋市中心部で、リアルの場でのヘルスケアアート展を企画していました。ところがコロナ禍によりオンラインギャラリーの制作へと変更。会場でお客さんとコミュニケーションできることや、受講生が企画する展示部分などを新たな形で開催することが課題となりました。そこで「ヘルスケアアート・ウィーク」というオンラインイベントに変えて開催することとし、ウィークの企画に受講生に入っていただくことにしました(こちらで告知しました)。

こんないきさつも話しつつ、第1部で、完成したオンラインギャラリーを紹介しました。そのなかから、名古屋市立大学でのクリスマスイベント、東部医療センター、厚生院でのひな祭りイベントの3事例を、実施にたずさわった高野さんや小野さんにも加わっていただきながら寺井が紹介しました。


ヘルスケアアートのオンラインギャラリーをつくりました


ヘルスケアアートの多様性が伝わる3つの事例を紹介しました


第2部では、4名の方の研究発表を聴きました。

トップバッターは川西真寿実さん。ひといろプロジェクト代表であり、ホスピタルアートディレクターでいらっしゃいます。「医療における色のちから/アートのちから」と題して、自分の色、周りの色、つなぐ色という切り口で詳しく教えていただきました。均一化された医療の空間に、そうではない色があるだけでどれだけ変わるのかということを気付かせてくださる発表でした。

次に彫刻家の高野真悟さんから、「富山県リハビリテーション病院・こども支援センターにおけるヘルスケアアートの実践と意義」を発表いただきました。彫刻やデザインという仕事でどうアート導入に携わるのか具体的に知ることができ、また全職員対象アンケート調査の結果からヘルスケアアートの有用性を知ることができました。

休憩をはさみ、アートプロデューサーでアプリュスセー合同会社代表の入澤日彩子さんから、「アートを介在させ、“見て、話す”、そのひと時の大切さ」と題した対話型アート鑑賞の話をうかがいました。認知症の方やその介護者の方などを対象に美術館や高齢者施設等で取り組んできた経験を、具体的な絵を見せながらどのような会話があったか、お話いただきました。これが直接どうヘルスケアアートと関係するのか、私たちも未知ですが、聴衆の方々からとても多くの質問があったことから関心の高さを実感しました。

最後に、「ヘルスケアアート導入促進のための手法に関する一考察」と題した森田里紗さんの発表をうかがいました。名古屋市立大学大学院芸術工学研究科で修士論文を書いています。


高野さんから、ストーリー(絵本)の紹介があり、絵画や彫刻の意味やキャラクターへの理解がくわしくできました


2. 交流会
「ヘルスケアアート・フリートーク」


開催日時:12/5(土)16時~18時
開催場所:オンライン(スペイシャルチャット)
参加人数:おおよそ25人


スペイシャルチャットという有料ツールを使った交流会を開催しました。zoomでは、同時に複数人がしゃべることが難しいですが、スペイシャルチャットは自分の意思で人と近づいたり、部屋を移ったりできるため、大人数での交流に適しています。二度のテストを経て、当日を迎えました。それでも慣れないツールではあるため、参加者の方には難しさもあったかもしれませんが、交流という目的は果たすことができたように思います。(鈴木教授のPCで参加できないという想定外の事態はありましたが…!)


部屋を分けて、対話型アート鑑賞の体験会もおこないました。研究発表から続いて開催したことで、参加者の興味が高かったと思います。


スペイシャルチャットの画像を貼る機能をつかい、対話型アート鑑賞をおこないました


3. 療養環境ワークショップ
「多床病室が抱える医療・空間の課題に対して、ヘルスケアアートで解決できそうなこと」


開催日時:12/6(日)12時~14時
開催場所:オンライン(zoomミーティング)
参加人数:おおよそ26人


ウィークの企画スタッフ、山本和典さんが中心となり、多床病室をテーマに話し合いました。グループワークの時間を多くとったためか、参加された方の満足度が高かったのが印象的でした。多床病室をアート的に環境改善するアイデアコンテストというおもしろい話題などが出ました。


当日の流れ


  1. 実行委員長 鈴木先生ご挨拶・テーマの紹介・ファシリテーター6名の紹介
  2. 病院設計者から見たベッド周りの環境について 山本さん
  3. グループセッション(1)「自己紹介と入院体験で感じたこと」
  4. とくに盛り上がった話を全体に、ファシリ担当がシェア
  5. グループセッション(2)「おもしろおかしくアートや仕組みで解決できそうなことを話し合う」
  6. ディスカッション「アーティストなど多様な立場の方が参加できるバラエティに富んだ楽しいヘルスケアアートのアイデアを想像する」
  7. 登壇者からひとことまとめの挨拶

山本さんから、多床病室のよさを見つけるヒントなどをききました


ファシリテーターとして、阿部先生、吉田さん、山本さん、鈴木教授、高野さん、古谷さんに入っていただきました


4.  シールによる参加型装飾の実践報告会


開催日時:12/12(土)10時半~12時
開催場所:オンライン(zoomミーティング)
参加人数:おおよそ30人


貼って剥がせるマスキングテープがシールになったクリスマスツリー装飾のキットを用いた実践報告会をしました。シールを活用したのは、デザイナー、アートディレクター、作業療法士、小学校特別支援学級教員、アーティストといった異なる職種の受講生が取り組んだことで、異なる視点を得られました。


↓詳細報告はこちらで読むことができます!
ヘルスケアアートウィーク「シール装飾の実践報告会」開催


ロール状のマステではなく、シール状のキットを用いています


谷口さんの発表のようす


5. シンポジウム
「アートでもっと病院を元気に!! ヘルスケアアートでつながろう」


開催日時:12/12(土)14時~17時15分
開催場所:オンライン(zoomウェビナー)
参加人数:おおよそ105人


四国こどもとおとなの医療センターのホスピタルアートディレクター森合音さん、名古屋市立大学の郡健二郎学長を招いて、当事業実行委員長の鈴木教授も登壇し、シンポジウムを開催しました。


↓詳細報告はこちらで読むことができます!
オンライン シンポジウム開催 12/12開催しました


鈴木教授の講演では、最後に「ヘルスケアアートなごや宣言2020」を発表しました。これをもとに、次の「ヘルスケアアートの歌」をつくる企画へとつながっていきました。(あなたの言葉で歌をつくろう!


森さんの言葉、活動には、聴衆から多くの反響がありました


鈴木教授は20年以上にわたるヘルスケアアートの取り組み、当事業の3年間の取り組みをお話されました


ディスカッションでは、医療者(郡学長は医師でもいらっしゃる)、アートディレクター、建築設計者の夢のコラボともいわれ!?


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