事務局からのお知らせ

事務局からの連絡事項、活動報告など

 今年度も企画が動き始めました! 今回は「ヘルスケアアート」のガイドブック化を目指す企画。2回連続の予定で話し合うことにしました。募集結果は、初参加が5人、厚生院WSに参加された方が5人、三重や京都、奈良からも申し込みがありました。大学院で関連分野の研究をしている方も2人いました。

5/29(水)18時半~21時 JPタワー名古屋5階ミッドタウン名駅サテライト
・講師: 鈴木教授(名古屋市立大学芸術工学研究科教授)
・ファシリテーター: 小野さん(アーティスト)、高野さん(アーティスト)
・受講生: 池田さん、常盤さん、南谷さん、坂本さん、永山さん、宮田さん、山崎さん、山名さん、香川さん
・事務局: 伊藤、藤井、寺井、森田

(1)事業の概要と、ガイドブック制作のねらいなど

 実行委員長の鈴木教授から説明をもらいました。

 鈴木教授の説明概要
 3年間の採択を目指して文化庁から助成を受けている。専門は建築であるが、子どものための病院設計のアドバイスをするにあたって海外でアートを取り入れた病院環境の先進的な取り組みを知り、日本でもやってみたいと思った。学生とホスピタルアートに取り組むようになり、対象は小児だけでなくてもよいと考え、「ホスピタルアート」という言葉は普及してきたが、病院に限定しないよう「ヘルスケアアート」とした。事業名の「マネジメント」は、アートと健康になる場をつなぐ人材を育成したいという思いから。
 今日はガイドブックを作るためのワークショップ。取り組みの内容を広く見てもらえるようなものを考えているが、はっきり言ってまだよくわかっていない。話しながら形が見えてくるといいなと思っている。アートを取り入れた病院などがあるという現状、どういう人がどういったことで関わりそれができているかという手法、どういう効果があるかも考えられればと思っている。

(2)自己紹介

 ヘルスケアアートに関わりたいと思う理由などを聞かせていただきました。お子さんや親御さんの入院に長く付き添った経験のある方、ご自身が病気をされて入院された経験のある方、看護師、セラピスト、長年アートと心や医療について考え取り組んできた方、これからホスピタルアートについて知っていきたいという方、さまざまいらっしゃいました。

(3)ガイドブックの企画概要について

 以下の項目を共有しました。現時点で想定しているものとなり、プラン設定については今後の議論があると思います。実施者側の視点が強い、受け手の理解が足りないのではなど、意見ももらっています。

【ターゲット設定】 (誰が手にする?レベル感は?)
 ・情報を欲している状態。病院アートという存在は知っているレベル。
 ・取り組んだことはない。もしくは間接的に関わった程度。
 ・全国の多種多様な事例についてはほぼ知らない。
 ・職業はさまざま、立ち位置は絞らない。ただし何らかヘルスケア施設と関わりのある仕事や生活を送っている人。
 ・連続講座に興味を持つ人もターゲットに当てはまる。

【ゴール設定】 (冊子を読んだ人がどうなることを目指すのか?)
 まず一つ取り組んでみる。自分の勤める病院なのか、求められた施設で行うのか、規模や内容に関わらず読者が一つ取り組んでみたい、やってみよう、やってみたという状態に変化することをゴールとする。

【プラン設定】 (どうしたらゴールを達成できるのか?)
 ①ヘルスケアアートとはどのようなものなのかが分かる
 ②施設導入の多様な在り方が分かる
 ③施設導入のコツが分かる
 ④ヘルスケアアートをもっと知りたいときの情 報が分かる など

(4)ガイドブック企画制作ワークショップで何を取り組むか

 ガイドブックの概要を共有したところで、さて今日はどこから始めましょうかという話をしました。
 いきなり「ヘルスケアアートとはどういうものである」というまとめを作るのは、我々にも受講生にも難しい仕事です。まず「事例」に焦点を当てた進行を考えていました。これに関しては外部推進委員の先生にも聞いたところ、ガイドブック化の前に、質や量に関わらずとにかくたくさんの事例を集めてみるというのはどうか、という意見がありました。

 そうした背景もあって鈴木教授から、ドンピシャなヘルスケアアートの事例を収集するのではなく、「ヘルスケアアート、病院などの施設にもこだわらず、皆さんが自分の環境の中で心地よいと思うものを集めては」という意見が出ました。極論ヘルスケア施設でなくてもいいんですか? 道端に咲いている花に心が癒されたらそれでもいいのですか? 川のせせらぎは? といったいろいろな反応があり、鈴木教授としては「川のせせらぎそのものがヘルスケアアートではなくても、それに人が心地よいと感じることから何らかヘルスケアアートに生かせる視点が見つかるのではないか」という答えがありました。ユニバーサルデザインなども事例に入ってくるのでは? という声には、「ベースにある心地よさ・機能的な心地よさ・心を癒す心地よさと、段階があるのだと思う。そうした議論が、収集された事例からできるのではないか」。

 結果としてヘルスケアアートという言葉は残すことになりましたが、「あなたの思うヘルスケアアートを紹介してください」というテーマで、受講生が自らの興味関心、あるいは身近なところにもじつはヘルスケアアートがあるのではないかという視点で、質量内容を問わずいろいろと集めてくることになりました。そうした事例が机の上に広げられることで、「これはヘルスケアアートなのか?」というヘルスケアアートの境界線を引く議論ができることを次回に期待します。そのためにも「事例のどこをヘルスケアアートだと思ったのか」「なぜそれをヘルスケアアートだと思ったのか」という着目点や理由が重要になります。

(5)課題:あなたの思う「ヘルスケアアート」を紹介してください

 会議の翌日、記入するフォーマットを全員に発信しました。



課題の説明:
あなたの思うもの、興味のある事例で構いません。これを機に身近なところにもヘルスケアアートがあるか考えてみてください。記事などに取り上げられないようなささやかなもの、物議を醸すもの、伝統的なもの、斬新なもの、OKです。空間や環境に限らず、イベントや芸術療法、スタッフの取り組み、参加型など、幅広く考えていただいてOKです。

(5)受講生との意見交換

坂本さん: 病院はそのつもりでやってるけど違うんじゃないか、というようなものは持ってきてよいですか?
鈴木教授: おもしろいですね、問題提起になるのでぜひお願いします。
小野さん: 海外と日本のホスピタルアートの違いもあります。海外ではアート(アーティストの作品)を病院の中に、という考え。でも日本では癒しのアートが取り入れられていますね。
坂本さん: 癒しのアート、語りかけるアートなど、取り入れる場所や目的によって違うのでは。
小野さん: マネジメントなんだと思います。適材適所でどこにどんなアートをという。骸骨の絵を飾るという事例がありました。これは死と向き合うという意味があったと記憶しています。学生時代に病院で仏様を描くことになったとき、院長先生が「もしクレームが来たときは病院で対応します。クレームがあったことで、医療者がその声と向き合うことができるから」と許可してくださった経験がありました。
池田さん: 長い入院経験からいうと、病院にアートがあると愛着を感じられるようになりました。
坂本さん: 空気のように、あるのが当然というアートが良いかもしれないですね。
山崎さん: フラワーセラピーに取り組んだとき、花材に赤い実の付くものがあり、「病院で赤ってだめですよね」と質問されたことがあります。「このお花は背中を押してくれるという意味があるんです」と答えると、「聞いてよかった」と言われました。無言でタブー視されることがありますが、説明することが大切だと思います。なのでガイドブックには期待しています。

さて、課題に取り組むといっても一週間しかないのですが、来週第2回でどんな事例が集まり、どんな議論が起こるのか、楽しみです!(寺井)