事務局からのお知らせ

事務局からの連絡事項、活動報告など

 2019年度の連続講座全7回が終了し、9月からは今年度後半のプロジェクト「実践ワークショップ」が始動しました。
今年度の実践ワークショップのテーマは「パッケージ型アートワークの提案」です。
「パッケージアートワーク」とは、どんなもののことを指すのでしょうか?我々の取り組むワークショップの意義は?
まず、委員長の鈴木賢一教授から説明いただきました。

昨年のワークショップでは、名古屋市厚生院でひなまつりに合わせたアートワークを企画、実践しました。この時は、事前に施設に見学に伺い、施設の課題やニーズをヒアリング調査したうえで、アート企画をオーダーメイドでつくりあげました。
現在、日本各地で実施されている「ヘルスケアアート」は、おそらくそのほとんどがオーダーメイド方式で計画・企画・実施されているのではないかと考えられます。オーダーメイド方式だからこその良い点がたくさんある一方で、オリジナルでゼロからのスタートというのは、アートの導入に携わる現場(=施設の方々)の労力や負担も重くなってしまいがちです。
「アートを療養環境の改善に役立てたい、でも、何から手をつけたら良いのか、大変そうだからなかなかできない…」という悩みを軽減したり、アート導入のハードルの高さを少しでも解消するために、様々な医療・療養環境に対応できる汎用性のあるヘルスケアアートのメニュー表のようなものを作成し、現場の方々に良いと思うものを選んでいただくような試みはできないだろうか?というのが、今回の実践ワークショップ「パッケージ型アートワークの提案」です。
ワークショップ参加者は、連続講座の受講生の中から手をあげてくださった方々です。建築・設計に携わる方、医療機関で働く方、美術の先生、陶芸家で粘土ワークショップをしている方、臨床美術士など、ヘルスケアアートに高い関心をお持ちの方々に応募いただきました。

9/11(水)18時半~21時 JPタワー名古屋5階ミッドタウン名駅サテライト
・講師: 鈴木賢一教授(名古屋市立大学芸術工学研究科教授)
・ファシリテーター: 小野さや香さん(アーティスト)、高野真悟さん(アーティスト)
・受講生: 佐藤さん、山本さん、坂本さん、加藤さん、永山さん、田中さん、
・事務局: 伊藤、寺井、藤井、森田

(1)パッケージ型アートの企画

 実行委員長の鈴木教授から改めて説明いただきました。

ワークショップの目的
1、汎用性のあるヘルスケアアートの実施企画を学ぶ 
2、アートマネジメントのプロセスの一部を体験する


特定のヘルスケア施設の求める条件を受け止めて、対話を通じながらアートの設置あるいは活動を実施する方式を仮にオーダーメイド型アートと呼びます。
これに対して、あらかじめアートの内容や実施方法などを用意し、必要経費などとともにパッケージして任意のヘルスケア施設に提示し、条件が合えば実施の決定をしていく方式をパッケージ型アートと呼びます。

取り組んでいただくこと
1、パッケージ型アートの企画を参加者各個人で作成する
2、参加者同士で議論しながら実施可能な企画へ精度を高める
3、想定するヘルスケア施設からの反応(受け入れの意向)を知るために質問書を作成する
4、質問書に対する施設からの回答を分析し、企画内容をあらためて分析する。
以上が、実践ワークショップの一連の流れです。

アート企画を考える上で、ヘルスケアの対象、アートの種類、内容・方法、アートの実践体制、実施の条件、効果の評価など、アート導入のプロジェクト進行において欠かせない要件があることについてもお話いただきました。

(2)ヘルスケアアートの種類について

彫刻家で、且つ長年ヘルスケアアートの研究と実践をされている高野真悟さんから、目的ごとのヘルスケアアートの種類を整理した資料をもとに解説いただきました。
アートの目的とアート形態の組み合わせには様々なかたちがあります。また近年は映像系などデジタル機器を利用した例も注目されています。

(3)アートの環境設計、プログラム設計について

アーティストの小野さや香さんからは、アートを導入する際の狙いや考慮すべき設計の理念をお話いただきました。
空間に何かを設置するときも、そこを利用する方々の動線がそれによりどう変わるのか、関係性にどのような影響が出るのか、という視点が重要です。
コミュニケーション、内外環境の関係を整えることで、心のエネルギーにも変化が起きます。

(4)ワークショップ参加者の自己紹介、企画について

 実践ワークショップの概要、企画する上で考慮すべきことがらを共有したのち、参加者の皆さんおひとりずつ自己紹介と、取り組んでみたい企画テーマなどについて議論しました。
「外部のアーティストに協力してもらうような企画でもいいの?」「アート制作の現場を体験していないので、費用計画が具体的にできるか心配」「かかる費用だけでなく、アートの導入により節約できる費用、増える利益、のような提案も盛り込めると良い」「ヘルスケアアートの現場を見学したい」「自身の勤務する施設で実際にやってみたい」などなどさまざまな発言があり、当初の終了予定時刻を超える密度の濃い2時間半となりました。
ご自身の活動に直結した企画、そうではなく自由に考えた企画、まずは何も制約をかけずに、ヘルスケアアートの企画を1人1つ以上出してみよう!ということになりました。
企画フォーマットはこのようなものを使ってまず取り組んでみることにしました。


パッケージ型アートワーク 企画フォーマット



なにしろ、私たちにとり初めての取り組みですので、今後どのような展開になるのか?未知の航海が始まるような気分ですが、ヘルスケアアートを日本に広げていきたいという思いを同じくする仲間が集まってのワークショップ。不安をワクワクに変えて、皆さんとともに進んでいきたい!と思います。
このワークショップは来年の1月まで約5か月間、全6回~開催の予定です。
次回は10月17日(木)19:00~開催の予定です。(藤井)