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【研究会】報告会(12/7) 「看取りチーム」の報告

研究会第5回 
環境チームの報告

研究タイトル
「救急外来における 『看取り』の環境~アート導入による改善策の提案~」



<担当講師・ファシリテーター>
◎医療者
阿竹  茂/筑波メディカルセンター病院 救命救急センター長(第3次救急)

◎ヘルスケアアートの実践者・教育関係者
鈴木 賢一/名古屋市立大学 教授、事業実行委員長


発表内容
「救急外来における 『看取り』の環境~アート導入による改善策の提案~」

1 「看取り」の場としての救急外来のあり方-筑波メディカルセンター病院・救命救急センターのケース-
2 救急外来における「死」:問題提起
3 アート導入による環境改善策の提案 
4 グリーフケアの環境づくり
5 まとめ


の流れで発表を行いました。



「看取り」の場としての救急外来のあり方-筑波メディカルセンター病院・救命救急センターのケース-




当院の年間の救急車搬送受け入れは約5000件で外来死亡は約100例です。外来死亡の90%以上が心肺停止状態で救急搬送されます。
救急外来の処置室で蘇生処置が行われ、蘇生処置に反応しない場合は、処置が行われた場所で死亡確認が行われます。

果たして救急外来は看取りの場所として適切でしょうか?
 
【救急処置室】の現状
救急外来処置室は手術室のような場所で救命処置室は機能的にできています。
空間、物、光、音は看取りには適していないところがあります。



【面談室】の現状
また面談室は家族にとって適切な場所となるのでしょうか。
家族控室としての役割や、グリーフケアの場所として適切でしょうか?



以上の現状から
救急外来とアートの提案として

課題1:看取りの場とアート
課題2:家族控室、面談室とアート
課題3:グリーフケアとアート

を考えてみたいと思います。


アート導入による環境改善策の提案


課題1:看取りの場とアート


看取りの場としてのアートとして2つの提案をいたします。

1つ目が風が通る草原のような看取りのばということで
パーテーションで目隠しするタイプのアートを考えました。

2つ目が天井に窓があるような看取りの部屋を考えました。




課題2:家族控室、面談室とアート

ソファや音楽、明かり、祈りの本などがある
 こころ落ち着くヒュッゲな部屋をご提案いたします。




課題3:グリーフケアとアート


グリーフケアのアートとして、悲しみに暮れているご家族への冊子はいかがでしょうか。
これは以前ご紹介いただいた阿部順子先生の「お子さんが初めて入院することになったお母さんへ」という冊子を参考にしました。



グリーフケアの環境づくり
 


救急外来での死別に働きかける仕組み1

患者が遺した、意味のある最期の言葉や表情をご遺族に届ける仕組みや方法は何かないのだろうか。
救急処置室の照明や機械音の環境を「安寧や祈り」にふさわしい空間へと切替える仕組みはできないか。
遺体を安置する場へ移送する際、視線に尊厳を添え観る人の心を浄化する神々しい天蓋ストレッチャーはないのか。



救急外来での死別に働きかける仕組み2

建築的な観点から筑波メディカルセンター病院で実際の平面図からブリーフケアを考えてみました。



救急外来での死別に働きかける仕組み3

窓の無い部屋にもデジタル技術を活用して、「こころの浄化作用」をつくるアートが組み込めるのではないかと考えました。



まとめ

高度医療空間で遭遇遅遭遇する予期せぬ死、
今増加しつつある高齢者の死とどう向き合うかっていうようなところが論点になりました。
デザイン的な配慮、やアートを導入することで、関係者の気持ちを切り替えやグリーフケアにふさわしい場の創出。
尊厳ある死に寄り添うというようなことができると信じてます。



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