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【学習会】HYGGEから考えるヘルスケアアート 第3回(9/12)報告

学習会 第3回 2022年9月12日(月)19~21時 オンライン開催
『HYGGEヒュッゲ』CHAPTER 3/ だれかと「共にある」こと


・森口先生による書籍の該当箇所の朗読や投げかけ
・グループディスカッション1:自己紹介と対話(30分)
・グループディスカッションの内容を全体に発表
・ディスカッションの振り返り
・グループディスカッション2:対話(20分)
・全体の振り返り
・次回の案内、事務局より課題(ワークシート)の共有

森口先生による書籍の該当箇所の朗読や投げかけ
「CHAPTER 3/ だれかと『共にある』こと」


第3回は書籍『HYGGE 365日「シンプルな幸せ」のつくり方』の「CHAPTER 3/ だれかと「共にある」こと(p.46~63) 」を読み対話をします。
グループワークの前に、森口先生から該当箇所の一部を朗読を交えつつ、参加者の皆さんに投げかけをしていただきました。

森口先生「昨日、久しぶりの音楽会に参加して、音楽を通じて大人から子どもまで人と人とがふれ合い、空間を共有する楽しさを実感しました。そしてコロナ禍でそうしたものから遠ざかっていたことにも気づき、人と一緒に分かち合う喜びについて考えました。今日は『だれかと共にある』ことについて、コロナ禍だからこそ感じることを皆さんと話したいと思います」


書籍の該当ページのキーワード
・「平等主義はヒュッゲの大事な要素」
・「ヒュッゲは『抱きしめる』ことと似ています」
・「愛のホルモンーオキシトシン」
・「ヒュッゲのカギは、人と一緒にいること。『社会とのつながりが人の幸せの本質である』という考えは、私のように『幸福』について研究している研究者や科学者の間で共有の見解となっています」

グループディスカッション1:自己紹介と対話


一般参加者を5人ほどの7グループにランダムに分け、グループ内で進行役と発表役を決め、簡単な自己紹介をしながら先の森口先生の投げかけについて30分の対話をしました。
そして、グループディスカッションの内容を全体に発表しました。



各グループで対話した内容を順番にグループの代表者が発表しました。


1グループ
● コロナ禍でオンライン化が進み、メリット・デメリット両方あった。
● これまであたり前だったことの再考の機会となり、例えばリモートワークが広がったり、オンライン会議での子どもやペットの登場が喜ばれるような変化があった。
→森口先生「本質が見えてきたのかもしれないですね」

2グループ
● 子育て中の親や地方在住者にとっては、コロナ禍のオンライン化で参加の機会が広がったというポジティブな感想が増えた。
● オンラインでもヒュッゲな場をつくることは可能。
→森口先生「オンライン化は平等と相性がいいかもしれない。先生も学生も一参加者となり、同じ立場になる。また参加の可能性が増えたというのはステキな視点ですね」

3グループ
● リモートが増え通勤など移動時間が省かれ、自分の時間が増えたことはメリット。生のコミュニケーションが減ったのはデメリット。
● 「遠くの人が近くなって、近くの人が遠くなった」。
→森口先生「海外の友人の逝去に際し、オンラインでお別れ会が開催され、世界中の人とその人について語り合いましたが、そうしたことができるのもコロナ禍だからこそなのだと気づきました」

4グループ
● 何気ない雑談がなくなりコミュニケーションの機会が減っているデメリットはあるが、一方で一人時間を満喫しているメリットもある。同じ状況に際して価値観の違いが現れてくる。
● 人とリアルで会うことの価値や質が上がった。
→森口先生「冒頭で話した音楽会も今まで以上に充実した時間でした。今ここにいっしょにいて感じることの価値が上がったというのは、すごくヒュッゲの大切なことで、そのありがたみを忘れないようにしたいですね」

5グループ
● コロナ禍で福祉施設の利用者とスタッフの適切な距離感を考えることができたメリットがあったが、オンラインでのやり取りのもの足りなさというデメリットがあった。
→森口先生「オンライン授業は顔を出さない学生も多いので、様子が見えずなかなか難しい状況がある。今のこの場もメリットは大きくあるが、いつかリアルでお会いしたい気持ちもありますね」

6グループ
● 家族との時間が増え、近所にある小さな幸せの発見があった。
● ご近所づきあいが以前は苦手だったが、コロナ禍で変化があった。
● イベントごとは減ったが、オンラインでの取り組みが増え、この講座に皆さんと参加できたことは大きなメリット。
→森口先生「ありがとうございます。私にとってもこの時間は学びの多い大切な時間になっています」

7グループ
● 制限が増えたことで、高齢者の認知症が進んでしまったり、看取りが難しい状況があったり、マスクによって人の感情を読み取りにくくなったのは人との関係を考える上でのデメリット。
→森口先生「高齢者の認知症の問題などは大きなことですね。どなたか参加者の方で関連してご発言いただけませんでしょうか」
→佐藤さん「うちの高齢者施設では、タブレット越しにリハビリをしたりしています」
→川西さん「小児病棟に工作キットを送ってタブレットで説明をして、時間の制限を設けずに工作をしてもらっています。もともと外部の人が入れなかった病棟でも展開できるので、できることが広がった部分もある」

森口先生「皆さん、比較的メリットを多く感じられているようで、嬉しく思います。皆さんの話を聞いた上での気づきを次のグループディスカッションでお話いただければと思います」


グループディスカッション2:対話


全体の振り返り


森口先生「今、だれかと共にあることができないコロナ禍において、このテーマで話し合うことで、気づきがたくさんありました。女性の自殺者やDVが増えているという話も聞きましたが、このような状況だからこそできることを考えられるのではないかという可能性を感じました。この場の参加者の皆さんで、ヘルスケアアートの何か新しいことができるのではという予感を持ちました」

鈴木先生「今回の、自分を見つめ直すことの価値を感じていらっしゃることが分かり、すごく共感した。本事業は最初の2年間は対面で名古屋駅の会議室で開催していたが、コロナ禍で幸か不幸かオンライン化したことで参加者が全国に広がった。オンラインでこそできることがあることを時間している」


参加者の感想(ワークシートより)


● 森口先生が言われていた、この状況だからこそ、オンラインだからこそ可能性があると言われていたこと、このメンバーで何かできそうという言葉に、とても自分の中でパッションを感じました。自分でも何か皆さんとできることを模索したいと思います。

● HYGGEの包容力が、ヘルスケアアートに求められる何ものかとうまくつながり、新しい事象の地平線を不穏な力に引き摺られることなく、軽々と乗り越えていけたら、誰でもみんな「しあわせ感」に包まれるだろうと想像しました。HYGGEとヘルスケアアートの「共作」ができると信じて疑わない森口ゆたか先生の言葉が、HYGGE探求へと皆の肩をさらに押したように思いました。

● 普段は医療・福祉関係の方々とのGWが主だったので、今回は私以外が全員アート関係者だったので、とても新鮮でした。どうしても私たちの業種では問題ばかりが目に付く感じがしたり、過去や将来的なことに目が向きがちなのですが、森口先生が言われた「いま、ここ」というヒュッゲの視点の大切さをおっしゃっておられるのをきいて、なにか良い意味での違和感を感じました。


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