NEWS 事務局からのお知らせ

【研究会】救急医療のヘルスケアアートを考える 第1回(9/7)報告

研究会第1回 2022年9月7日(水)19~21時 オンライン開催
「救急医療を知る」松嶋先生からの講義、参加者からの自己紹介


はじめの言葉(鈴木先生)
挨拶、講座趣旨説明(髙野さん) 
ファシリテーターの自己紹介
講師のご紹介
参加者の自己紹介
松嶋先生の講義
松嶋先生と鈴木先生の対談
質疑応答


この研究会はもともと定員15名を予定していましたが、参加受付を開始して早々に定員に達したため、定員枠を増やし、19名の参加者を迎えて開催しました。

事業実行委員長の鈴木賢一先生よりはじめの言葉


冒頭で、実行委員長の鈴木先生からなごやヘルスケア・アートマネジメント事業の概要説明がありました。

本事業は文化庁から助成を受け、ヘルスケア分野でのアートマネジメントを担う人材育成を目的とし実施しています。
鈴木先生は建築の視点から環境を捉えているナイチンゲールの話に触れイギリスでの取り組みについて説明されました。そして、救急医療とアートを考えることは日本では稀であり、皆さんと議論を深めていきたいと話がありました。


続けて運営の高野より、この研究会の第1回から第5回までの流れの説明がありました。
第1回 救急医療を知る
第2回 救急医療を考える
第3回 救急医療とアートを探る
第4回 救急医療とアートを創る
第5回 これまでの振り返りとまとめ


ファシリテータと講師の自己紹介


篠原 佳則さん(建築家、NPO子ども健康フォーラム)
伊藤 友弥先生(あいち小児保健医療総合センター 救急科医長)
岩田 祐佳梨さん(NPO 法人チア・アート 理事長)
由井 武人先生(京都芸術大学 ホスピタルアートプロジェクト「HAPii+」担当講師、画家)の順番で
ご自身の事例を踏まえた自己紹介がありました。

阿竹 茂先生(筑波メディカルセンター病院 救命救急センター長)
も救急患者の対応で少し遅れて自己紹介されました。




参加者の自己紹介


続けて参加者19名の方から自己紹介があり、一人1分で職業や参加動機についてお話しいただきました。
参加者の主な職業は・・・
建築設計に携わる方
アーティスト
デザイナー
アートディレクター
医療事務
教員
学生・医大生
など様々な職種の人が参加されていました。

いろいろな角度から議論が広がりそうでグループワークが楽しみです!


松嶋先生の講義(救急医療とは、現場の様子など)


鈴木先生から、この研究会の講師である松嶋 麻子(名古屋市立大学医学部附属東部医療センター 救急科 医師)先生の紹介がありました。
松嶋先生には東部医療センターの救急外来の様子を動画とスライドでわかりやすく説明していただきました。



最初に鈴木先生との出会いである、東部医療センターの救急車のお話がありました。次にコロナ禍で逼迫する救急医療の現場のテレビ動画を視聴することで、救急医療の緊張した様子を理解することができました。



その後、救急患者がどのような動線や視点で運ばれてくるか、実際の動画で疑似体験することができました。ストレッチャーで寝ているとって天井しか見えず、自分がどこにいるか全くわからなくなり、不安感が増加することが想像できました。




また、同じ東部医療センターの中でアートがある入院・診療棟とアートがない救急棟を写真で比較することで、待合室や検査室に向かう廊下でアートや環境により不安や閉塞感が軽減するということを実感することができました。



松嶋先生と鈴木先生の対談


鈴木先生が松嶋先生の講義を受けて、救急医療に関して様々な質問をしました。


対談の内容
● 陰圧室は部屋の中からウイルスが広がらないような仕組み
● コロナなど感染症のない時は可動式の壁を取り外す
● 救急車で来ないウォークインの患者の動き
● 救急搬送の割合は半々もしくはウォークインが2割多い
● 1日の受診者数は救急車は20〜25 、ウォークインも同じ程度
● 救急スタッフはドクター(内科1、外科1、救急1)3名と研修医3名の計6名
● 救急医という専門医はアメリカではメジャーだが、日本では少ない。
●救急医の勤務状況は働き方改革で改善している
●診療は、あまり感情を入れないように冷静に判断し、医学的に対応している。

その後、伊藤先生からあいち小児における救急医療、阿竹先生から筑波メディカルセンターでの状況をお聞かせいただきました。
小児救急では理想的な救急医が常駐しており、救急搬送も1割で症状も軽度の患者が多いことがわかりました。求められるアートも子どもと大人で変わってくるというご指摘をいただきました。



筑波メディカルセンターでは1日15台、ウォークインの患者の待合室に配慮していることがわかりました。阿竹先生のペーパークラフトの活動もご紹介があり、子どもに救急医療を理解してもらうのに有効だそうです。



受講生からの質問


質問事項の抜粋
● ご家族の目線や動線も知りたいなと思ったのですが、救急車に同乗する方とそうでない方では入り口や待合室は異なるのでしょうか。
→ウォークインは別にあります。
● 家族待合室のスペースはそれほど広くないように見えましたが、いくつかのご家族が同時に待合室でお待ちになるケースはどれくらいありますか?
→6人分の待合室で救急搬送用の待合です。
● 救急救命士の動線や連携に関して何か工夫されていることはありますでしょうか。
→1名います。救急外来でフルに働いてもらっております。
救急医療で医療者がストレスを感じることはなんですか?(患者の対等や処置など)あれば教えてください。
→自分の思っている医療ができない時が一番ストレスがたまる。
●パーテンションで区切られた待合室で、ご家族に悪い知らせを伝えなければならない場面などで、対応に(空間的にも)気をつけていることがあったら教えてください。
→処置室は透明だが他の家族の話が聞こえることがないが、いろんな状況がある状況をわかってもらった方が患者の理解が得られやすいのではないでしょうか。
●ヘルスケアアートの導入にあたり、大きな課題や壁はなにか?
→赴任前なのでよくわからないです。
●救急部でアートが必要なのは、患者、医療スタッフどちらが優先だとお考えでしょうか?
→救急外来などは患者にとってのアートが優先です。手術室にとって必要なのは機能的な美しさです。

次回の案内、課題シートの共有


最後に事務局から次回(9月21日)の案内をし、課題シートの記入のお願いをして終了となりました。
次回はあいち小児の事例、筑波メディカルの事例、イギリスの事例、アンケート結果を踏まえてグループで対話をします。


SUGGEST 関連ページ