NEWS 事務局からのお知らせ

コロナ病棟のアート企画実施WS 第4回開催しました(9/6)

「コロナ病棟の患者さんやスタッフの皆さんにアートを届けよう」
第4回ワークショップ 2021年9月6日(月)19~21時 オンライン開催


「アート企画についてグループで話そう!2」


・東部医療の村井医師より病棟空間や患者さんの状況の説明と、
 参加者からの質疑応答
・グループワーク1「グループでのアート企画検討」
・全体へグループの企画を発表、意見交換
・事務局よりアンケートの説明
・グループワーク2「グループでのアート企画検討」
・今後の案内と提案書についての説明


東部医療の村井医師より説明と参加者からの質疑応答


東部医療センターの村井先生

病棟の現状として患者さんが増えてきてほぼ満床になっていること、ただワクチン接種が進んでいるため今後は少し落ち着いてくるのではないかというお話をしていただいた上で、参加者の方から問い合わせのあった病室とエレベーターホールについて、写真と動画を見せながら説明をいただきました。
その後の質疑応答では、病室の音環境や、エレベーターホールの使用場面について参加者の方から質問をいただき、次のようなお返事をいただきました。
「あまり環境音はなく基本的には無音です。隣の人が咳き込んでいると聞こえたりすることはあります」
「エレベーターホールを医療スタッフが使うことはあまりなく、患者さんが退院の際に家族にお会いされたりするようなスペースです。空調が入っていないので、長く滞在することはあまりないと思います。スタッフが病棟に出入りしたり、患者さんが退院されるときには皆さん、エレベーターホールを使用します」

そして、「いろいろなことを熟慮いただいていると思いますが、患者さんのことを思ってできるだけ自由にアートを発想いただければと思います」とあたたかいメッセージをいただきました。

グループワーク前半とアート案の発表

第3回ワークショップと同じ4グループに分かれ、引き続きアート案の検討をしていただきました。Zoomのブレイクアウト機能を使ってグループ分けをし、30分程グループで話をしていただいた後、全体に各グループのアート案の発表を順にしていき、意見交換をしました。参加者にとっては他のグループでどのような企画をしているのか、情報共有をする機会にもなりました。

鈴木先生グループ(制作系)
「マスキングテープでアートをつくる企画。魚のシルエットのシールを各病室の壁面や、退院前にエレベーターホールに貼ることを考えているが、病室で使ったシールを退院前に剥がしてエレベーターホールに貼ることは可能なのか?病室のものをグリーンゾーンに持ち出すことになるが、できるのか?」

→患者さんの持ちものについては消毒や密閉しての持ち出しが必要となるはずではあるが、一度、病院側に提案してみてもよいのでは。シールの粘着力は剥がすと弱くなるが、貼る方法は複数あるので引き続き検討を。


篠原さんグループ(病室系)
「対象は患者さんを想定している。2つのアートはリンクしていて、1つ目は紙コップへのプリント、2つ目はトイレパーテーションへのプリント。紙コップへのプリントの展開として、QRコードをつけメッセージや東山動物園の動物の動画の提供をするといった検討もしている。紙コップなどは使い捨てできるので、医療スタッフの手間をかけないものになっている。2つ目はトイレパーテーションへのプリントで、これは過酢酸での消毒にも耐えうるプリントをする予定。」

→以前、先行して提供したランチマットのように気軽に提供でき、テーブル周りが明るくなってよい。


トイレパーテーション企画の提案スライド


吉岡さんグループ(デジタル系)
「孤独や不安を感じている入院患者さんのために、病室に映像や音を提供する企画。アルミ缶サイズの小さいプロジェクターにPCやタブレット端末をつなげ、患者さんが選んで好きなものを投影できるようにする。ポイントは自分好みのコンテンツを選べることができることなど。コンテンツは今後、他の参加者の方などとも一緒にディスカッションしながらつくっていければ。今回は1病室への提案となるが、プログラムは転用できるので、予算が許せば機材を購入し実施場所を増やしていくことも可能。」

→機器も消毒の対象となるので、飛沫などからプロジェクターなどを守る必要があるのかも。コンテンツを選べるのはよいが、機器には触らせない方が管理としてはよいのでは。またできれば22の病室すべてに展開できるとよいが何か方法はないだろうか。

 ⇒プロジェクターのケースは必要だとグループでも話をしていて、ケースを拭いたり替えたりすれば対応できるかと。値段を安くするには病院にあるものを再利用する方法もあるのだが、保守や管理の手間がかかるのでそのあたりのバランスが問題となる。


プロジェクター設置のイメージスケッチ


高野さんグループ(自然系)
「閉鎖的なコロナ病棟に『森からの贈り物を届けよう』というコンセプトで、アートパネルを病室に設置しつつ、自然環境音のできる音源の紹介や風を感じるオブジェ、言の葉メッセージカード、コケリウム、フィットネスカードなどを1つのパッケージにして患者さんに入院時にお渡しし、病室を『森の療養室』にする。同時に、エレベーターホールの一角にグリーンウォールを設置し患者さんから医療スタッフへのメッセージカードを添えられるようにする。」

→実際に東部医療センターに提案をする際は口頭での説明はできず、印刷物を読んでいただくので、盛りだくさんのコンテンツを先方にご理解いただけるような整理があるとよいかもしれない。


高野さんグループの企画を整理したエクセルを見ながら発表をうかがった


事務局よりアート提案書やアンケートの説明


各グループの発表を受け、鈴木先生からは「皆さんの発想が広がり、多様な提案がそろいおもしろいですね」とのご感想をいただきました。

そして後半のグループワークの前に、施設側へのアート提案やアンケート内容についての説明をしました。
今回の第4回WSの案内を事前に参加者の皆さんにメールする際に、アート検討に際して留意いただきたいことを、下記のようにご案内をしていました。


・今回、施設側には印刷物のかたちで複数のアート案を提示し、口頭での補足などはないため
 各アート提案の内容は、読みやすい分量・理解しやすい内容にする必要がある。
・提案書には細かい部分は掲載できないけれど、一方で、実施をするための検証として、
 予算や施工の面などはある程度クリアにしておく必要もある。
・実施見込が10月下旬~11月頃となるため、その時期にあった内容であること。
 ※実施時期は施設側の状況に応じて変更となる可能性もあることご留意ください。

通常のヘルスケアアートの提案の場合は、施設側の担当者と面談し、模型やイメージ図などをお見せしてアート内容についてご説明することが多いですが、今回は施設側からの依頼ではなくこちらからのアート提案であり、コロナ禍でいっそう多忙を極めるスタッフの方に集まっていただくのは難しいと判断し、村井医師と相談の上、提案書とアンケートを用意することにいたしました。そしてコロナ病棟に関係する医療スタッフの方にそれらを休憩時間などに閲覧・回答をいただき、その結果を踏まえて実施する案を決定していく予定です。

各グループ2案まで、4グループで合計8案ほどのアート企画を提案する見込みでいます。アンケートでは、当初は8案から導入を希望する2案を選んでいただき、それぞれに対する要望や意見などを記述いただく構成を提案しましたが、村井医師から「作品自体の面白さ」「医療者への負担」を5段階評価で記入するご意見をいただき、画像のようにまずそれぞれのアート案についての評価を記入した上で、導入希望の案を1つ選んでいただき要望や意見を記述するスタイルに変更をしました。




アンケート内容の共有の後、今回は先方にアートの内容を口頭で説明をすることができないので、それを意識して提案書の内容を9/12(日)までに整理いただけるようにお願いをしました。また、施設側への費用負担はもとめないので、提案書には費用についての記載はしないけれど、しかし実施を踏まえ費用も含めてグループで検討いただくこともお願いしました。

その後30分ほど同じ4グループに分かれグループワークの時間を設けました。


今後の案内と提案書についての説明


グループワークの後、事務局から次回以降のスケジュールをスライド画像に沿ってご案内をしました。



そして、事前に参加者の皆さんにメールで展開した提案書の案について、改めて画像を見せつつご説明をしました。中面の各グループのアート案を掲載するページについて、もともとは現在グループワークで使っていただいているスライドをそのまま掲載する予定をしていましたが、今回のワークショップを受けてできるだけ広くスペースを確保するようスライドの縦横比を変更をしました。
ひとつのアート案を掲載するボリュームについては、1p1案という展開も可能ではありましたが、施設スタッフの読む作業負担を鑑み、1p2案という構成に落ち着きました。


提案書の表紙(右)と裏表紙(左)案


提案書の中面、各グループのアート案を掲載するページの案


そして、規定の枠のサイズで各グループ用のGoogleスライドを運営側で作成・共有し、そこに各グループの皆さんがタイトルや画像・テキストを適宜配置いただく流れとなりました。
Googleスライドというオンラインサービスを使ったことで、複数のグループメンバーが同時に閲覧・編集ができるだけでなく、他のグループの状況を見たり参考にしたりすることも可能となりました。


次回・・・9月27日(月)第5回ワークショップ
アンケート結果と運営メンバーでの打合せを経て、実施するアート案を決定し、今後の導入や最終回に向けた準備を進めます。


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