コロナ病棟のアート企画実施WS 第1回開催しました(7/26)
「コロナ病棟の患者さんやスタッフの皆さんにアートを届けよう」
第1回ワークショップ 2021年7月26日(月)19~21時 オンライン開催
講師
鈴木 賢一(名古屋市立大学教授、なごやヘルスケア・アートマネジメント事業実行委員長)
篠原 佳則(安井建築設計事務所 名古屋事務所 副所長)
村井 俊介(医師/東部医療センター 高次ウイルス感染症センター 副センター長)
ファシリテーター
吉岡 純希(株式会社NODE MEDICAL 代表、看護師、デザインエンジニア)
高野 真悟(彫刻家、東部医療センター新病棟 ヘルスケアアーティスト)
全体スケジュール
① 関係者紹介と事業概要、一般的な医療施設の環境説明(鈴木教授より)
② 東部医療センター、高次ウイルス感染症センターの建築設計側からの内部説明(篠原さんより)
③ 東部医療センター、高次ウイルス感染症センターの医療施設の位置付け、コロナ病棟の患者さん、スタッフの状況説明など説明(村井先生より)
④ 受講者からの質疑応答
⑤ 参加者自己紹介
講義概要
① 関係者紹介と事業概要、一般的な医療施設の環境説明(鈴木教授より)
文化庁の大学における文化推進事業より助成を受け、アートマネジメント人材育成事業を立ち上げた経緯の説明をしていただきました。
”文化芸術の作り手と受け手をつなぐ”をキーワードに、医療福祉施設でのストレス軽減・環境改善を目的とするアート導入の必要性、効果的に運用する役割を担う人材育成についての話して頂きました。
② 東部医療センター、高次ウイルス感染症センターの建築設計側からの内部説明(篠原さんより)
2021年4月に東部医療センターと西部医療センターが名古屋市立大学病院に統合しました
篠原さんは、株式会社安井建築設計事務所で設計を担当し、NPO子ども健康フォーラムで全国の小児病棟へ療養環境向上の提供をしていらっしゃいます。
東部医療センターの救急・外来棟、入院・診療棟と順次建て替えを実施中、コロナ流行に伴い旧東病棟を高次ウイルス感染症センターに再利用することなった経緯を説明しながら、
スタッフと患者エリアの分け方や病室の概要を紹介、コロナ病棟でのヘルスケアアートを考えるための前提と、ヘルスケアアートの可能性について話して頂きました。
ワークショップに先立って、食事トレイの紙マットを7月21日に高次ウイルス感染症センターに提供させていただきました。
3種類のデザインを高野さんが担当し、マットの裏には、短歌や俳句、ナンプレなどが印刷してあります。患者さんからは「気持ちが華やかになる」などの声を頂き、患者さんに喜びを提供できることでナースも喜びを感じられると好評をいただいたそうです。
③ 東部医療センター、高次ウイルス感染症センターの医療施設の位置付け、コロナ病棟の患者さん、スタッフの状況説明など説明(村井先生より)
村井先生より、コロナ病症は感染と致死率の高いウイルスで、8割が風邪の症状で終わるが2割ほどは肺炎などで入院すると教えて頂きました。
入院病棟はグリーンゾーン(ナースステーションや休憩室などのウイルスのいない空間)・レッドゾーン(患者さんの病室、防護服の装着が義務付けられていて、過酢酸による消毒が必要)に分けられ、実際の病棟、病室を動画を見ながら紹介いただきつつ、患者さんの入院から退院までの流れも説明して頂き、受講者の皆さんは真剣な表情で見ていました。
患者さんの不安感・孤独感・退屈感の緩和、医療従事者からは、閉塞感をアートで何か出来ると嬉しい、との声を頂戴しました。
④ 受講者からの質疑応答(一例)
- 布団カバーの色は? →無地
- 患者さんはどの様に過ごしているのか? →オリンピックを見ている方が多い、スマホをさわっている人も多い。宅配便はOKなので、Amazon等で買い物をしている人もいる。ランチマットの裏にある、クイズやナンプレを楽しんでいる。
- 病室内にアートは可能か?例えば、天井など →天井も全て消毒するため、病室内のアートは難しい
⑤ 参加者自己紹介
コロナ禍のヘルスケアアート企画提案に興味関心のある、色々な職業・年齢の皆さんが集まってくださいました。
自己紹介では、一人一人の熱い思いを聞かせていただきました。